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6月初旬、北京、天津の歯科事情を視察した。同行者は、上海に留学経験のあるW氏、北京語などの言葉が堪能である。中国では、基本的に英語、日本語は通じない。日本から空路2時間余の距離で北京に到着、車で2時間高速道路をとばして、天津に入る。人口1100万人、繁華街、天津医科大学口腔医院、天津市口腔医院、そして、最新の開業歯科医院を視察した。天津医科大学口腔医院、天津市口腔医院では、口腔外科、形成外科に力をいれている。歯周病科、補綴科、保存科、矯正科など最新の治療方法も導入されていた。
先生方の熱心な質問、情熱に刺激を受け、歯科医になった頃の初心を思い出した。
また、中国の先生方が、ゆったり生きていることの素晴らしさを感じた。燃える情熱と心のゆとりは、日本では日頃の忙しさでどこかに置き忘れそうになるが、大事な事である。天津市は、兵庫県と大阪府をあわせた面積より大きい市で、ドーナツ状に数本の高速道路が走り、中心の外ほどに田園が広がる。中心地でも車で数分行くと、日本の昭和初期の町並みを想像させる雰囲気である。
その辺りでの歯科治療は、昔ながらの電気エンジンによる切削で、材料も当時の雰囲気である。中国は、歯科治療においても、大変大きな技術レベルの差が存在する。これが、許されているところが、中国かもしれない。人口13億人の国ならではの歯科事情であろう。補綴物は、ニッケルクロム合金が主で、メタルボンド、クラウン、金属床のほとんどに使用される。最新の技工器材も導入されているが、プレシャス材料は極めて少ない。最新の歯科技工技術の導入が今後の課題のようである。
日本にも留学し研修された歯科医、技工士の方がたとも会い、本当に心暖かいもてなしをして下さり、天津料理、北京料理も大変美味しく、楽しく時を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいだった。
また、北京では、シノデンタルという中国最大のデンタルショーが開催されていた。この中で、目に留まったのが、ロングブリッジ作成まで可能にしたCAD-CAM(コンンピューター設計と加工機)による自動切削によるセラミック材の加工技術の進歩とホワトニング材の進歩である。日本、ヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国の歯科機械材料を、楽しく見ることが出来た。
いずれハードの面では、中国でも日本のように地方の隅々にまで行き届く時代がくると考えられる。新たな歯科治療のイノベーションこそ我々歯科医にとって最重要課題と考える。 |